大規模修繕
マンションを定期的に大規模修繕することで資産価値の維持・向上につながるだけでなく、地震等の災害対策にも貢献する重要な工事です。
とはいえ、何年周期で大規模修繕が必要なのかといったものが法律で定められておらず、なかには一度も大規模修繕を行っていない物件も少なくありません……。
ここでは、私たちが大規模修繕の経験から得た基礎知識についてご紹介します。
ぜひ、マンションのオーナー様、管理組合様はチェックしていただき、大規模修繕をご検討ください!
マンション・工場など大規模修繕についてのご相談はこちら!
大規模修繕が必要なワケ
大規模修繕の目的は主に3つあります。
- 建物の耐久性を高める
経年によりヒビ割れなどが進んでいると、鉄筋コンクリートでもヒビから水分が侵入し、サビとなってさらなる劣化を引き起こします。
大規模修繕は外壁の塗り替えだけでなく、建物の状況を診断したうえで必要な補修を行うことで、建物の耐久性を高めます。 - 美観の向上と資産価値の維持
マンションの外観は資産価値にとても影響を与える要素です。
分譲・賃貸のいずれにしても、立地だけでなく外観の良し悪しでも資産価値は左右されるからです。 - 外壁の剥落や落下から利用者様・入居者様・周辺住民の皆様の安全を図る
関西圏はマンションやビルなどが狭小地に密集しているエリアです。
何かの拍子に外壁が剥落してしまうと、そこを利用する人だけでなく周辺への被害も少なくありません。
大規模改修を行うことで外壁の剥落や落下を防ぎ、被害の拡大防止にもつながります。
関西圏はマンションやビルなどが狭小地に密集しているエリアです。
何かの拍子に外壁が剥落してしまうと、そこを利用する人だけでなく周辺への被害も少なくありません。
大規模改修を行うことで外壁の剥落や落下を防ぎ、被害の拡大防止にもつながります。
法律では、大規模改修の「定義」は定められていますが、実施義務や実施周期については明言されていません。
大規模改修を「実施する、しない」は建物のオーナー様や管理組合様が決めることです。
「大規模」な修繕なので、資金面で厳しいというオーナー様、「もうこれ以上は放置できないかも……」というところまで実施しないオーナー様もいらっしゃると思います。しかしながら、建物の劣化を知りながら放置してしまうと、返って多額の費用が必要になる可能性も。また、条件・状況によっては大規模修繕の補助金・助成金の対象となる場合もあります。まずは建物の状況を把握するため、建物診断からはじめましょう!
建物診断や大規模修繕に関するお問い合わせはこちら!
大規模修繕のタイミングは?
大規模修繕の実施タイミングについて、法律では特に定めがあるわけではありませんが、10~12年のサイクルでの実施が目安といえます。
一般に、建物の機能維持・資産価値の維持を目的に、マンションの建築前もしくは建築後に「長期修繕計画」が作成されます。
長期修繕計画には修繕する場所やタイミング、費用などを記載しており、計画に沿って大規模修繕を行います。
傾向としては、2000年より前に作成された長期修繕計画では10年周期、それ以降の長期修繕計画では12年周期とされていることが多いようです。
国土交通省が発行する「長期修繕計画ガイドライン」には「大規模修繕(周期12年程度)」との記載がありますが、12年周期とする確固たる根拠がないという意見も多いことから、10~12年というのが一つの目安として認知されています。
実際のところ、建物の構造や建設時の施工の質、立地条件、日常的な管理状態によって修繕すべき時期は変わるため、16~17年周期でも問題はないというマンションも少なくありません。
ポイント
大規模修繕のタイミングはさまざまですが、建築基準法においては以下の該当する建物においては「全面打診調査」の実施・報告が義務付けられています。
対象:タイル貼りや石貼り、モルタルなどの外装仕上げ材を用いた建物
条件:建物の竣工・改修から10年を経過したマンションの場合は3年以内
工事内容と工事にかかる期間の目安
大規模修繕の工事中は、少なからず居住者様や利用者様に影響を及ぼします。
工事の内容によっては半年以上かかるケースも……。
大規模修繕では具体的にどういった工事を行うのか、期間はどの程度なのかについてご紹介します。
工事内容と個別の工事期間
- 足場仮設工事:1~2週間
本工事を行う前に、建物の外周を覆う足場を設置します。
同時に、資材置き場や作業員の詰め所なども合わせて設置。 - 下地補修・シーリング打ち替え・鉄部塗装工事:1~2か月
壁などの下地調査を行い、調査結果に基づいた下地部分の補修を実施。
また、サッシの周りや外壁目地のシーリングを除去して新しいシーリングを充填したり、階段や手すり、扉など鉄部の塗装も合わせて行います。 - 外壁塗装工事・防水工事:2~4か月
外壁塗装工事は下地コンクリート面の補修や高圧洗浄などによる汚れや苔の除去を行ってから養生をし、下塗り、中塗り、仕上げ塗りを施していきます。
場合によってはさらに塗る回数を重ねることもあります。
各塗り工程では、塗り材料の色を変えて施工漏れが起きないようにします。
また、屋上・屋根・ベランダなどの防水工事も重要な工事です。
施工する部分によってウレタン樹脂、アスファルト、塩ビシートなどが用いられます。
建物規模による工事期間
個別の工事期間はおおまかな目安がありますが、建物の構造や規模により全体的な工事期間はまちまちです。
大規模修繕は建物のを寿命を延ばし、資産価値の向上になくてはならない工事です。 特に人口密集地帯においては、劣化における被害の影響範囲は該当物件だけにとどまりません。 大規模修繕に関するご相談やお悩みはぜひお気軽にお問い合わせください!