外壁塗装について
大切な家に長く住み続けるために、とても重要なメンテナンス手段のひとつが外壁塗装。
とはいえ、施工にはそれなりの費用がかかるので、後回しにされることも……。
しかし!後回しにしたことで、修復費用が高額になってしまうケースもあります。
手遅れにならないために、外壁塗装について基本的な知識を抑えておきましょう!
なぜ外壁塗装が必要なの?
なぜ外壁塗装が必要かというと、実施する目的は大きく2つあります。
- 美観を回復させる
- 建物の寿命を延ばす
外壁塗装にあまり詳しくない人は、見た目を綺麗にすることだけが目的だと思いがちです。
例えば「本棚の色を塗り替えたい!」といった場合、目的は気分転換や模様替えの意味合いが強くなります。
外壁塗装でもっとも重要な目的は、美観の回復よりは建物の寿命を延ばすことにあります。
外壁は常に風雨や紫外線といった外的ダメージから建物を守っています。
外壁の劣化が進めば建物の躯体に影響を与え、結果として建物自体の寿命を短くしてしまうわけです。
本棚の塗り替えと違って、外壁塗装には時間もコストもかかってしまいますが、すべき時期にメンテナンスを行わないと、より甚大なコストとなる可能性も。
美観の回復、建物の延命により、資産価値の向上につなげましょう!
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塗り替えのタイミング
一般には新築から、もしくは前回塗り替えてから10年程度が塗り替えの目安とされていますが、次のような症状が出ている場合は注意が必要です。
「うちは大丈夫かな?」と気になったら、外へ出てみて確認してみましょう!
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セルフチェック項目
チョーキングが発生している
外壁の劣化診断でもっともわかりやすいのが、チョーキングです。
手で触ってみて白い粉がつくようになったら、塗装の寿命が尽きた証拠。
チョーキングが発生してしまうと水を弾けないため、素材が水を吸収し劣化速度が速くなります。
雨どいなどの配管もチョーキングしていたら強度が落ちてくるので交換したほうがよいでしょう。
クラック(ひび割れ)がある
クラックは太さや大きさによってメンテナンスの時期が判断できます。
明らかに太くて大きなひび割れは早急に修復する必要がありますが、判断に悩むのがヘアークラックとよばれる髪の毛程度のひび割れです。
結論としては緊急性自体はありませんが、放置するとさらなるクラックの原因に。
またヘアークラックの数が多い場合も一度診断してもらうのがおススメです。
コーキング(目地埋め)の劣化
サイディングを使った外壁は目地(部材間の隙間・継ぎ目)をコーキング材で埋めています。
一般にコーキング材は5~10年程度で劣化し、ひび割れや亀裂が生じます。
サイディングパネル自体に問題がなくても、コーキング材が劣化していれば、例えば雨漏りや地震によるひび割れの原因となるため早急な対応が必要です。
塗料の剥がれ
緊急性はないものの、放置すると大事になってしまう症状が塗料の剥がれ。
塗料が剥がれてしまうと外壁の素材が劣化してしまい、腐る・欠ける・反るなどの不具合がどんどん進行します。
鉄部の場合は、塗料の剥がれにより錆が進行し、鉄そのものがボロボロに朽ちてしまう原因にも。
どちらも早期発見・早期対処することで、外壁の寿命を長引かせることが可能です。
外壁のコケ・藻が発生
建物の北側や日当たりの悪い場所にコケや藻が生えていませんか?
コケや藻の発生が見られたら、スポンジと塩素系漂白剤などを水で薄めたもので洗い流しましょう。
見栄えが悪いだけでなく、アレルギー性の皮膚炎など健康被害になる恐れもあります。
ただし、外壁をゴシゴシこすることで塗膜を傷つけてしまう場合もあるので、チョーキングやクラックといった症状がある場合は一度、業者に見てもらうのがおススメです。
色あせ、光沢の低下
新築時や外壁の塗りたて時は光沢があって色鮮やかでも、経年によってやがて輝きも徐々に失われていくのは仕方のないこと。
「年季が入って良い感じ」と思うかもしれませんが、塗膜が劣化している証拠でもあります。
塗膜は劣化により防水性能も低下するため、「くすんできたな……」「色がぼやけてきたな……」と感じたら、塗り替えのサインです。
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失敗しない色選び
外壁塗装でもっとも多い失敗例のひとつが「色選び」です。
「イメージしていた色と違う…」「汚れが目立つ…」に加え、最近は多色使いの外壁も増えていることから「ツートンカラーにしたら変だった…」といった失敗談もちらほら耳にするようになってきました。
冒頭で述べたとおり、外壁塗装の本来の役目は建物の寿命を延ばすこと。
とはいえ、一度塗ったら数年~10数年はその色と付き合っていかなくてはならないので、外壁の色選びで失敗しないよう基礎知識を蓄えておきましょう!
失敗例 イメージしていた色と違う
対策 大き目のサンプル+さまざまな状況下で確認する
想定していた色と違うように見える原因は主に2つあります。
ひとつは、実際に色が違うものを見ているから。
外壁の色を決める際、カタログやカラーシミュレーターを使う場合がありますが、紙質やモニターの違いによって正しく色が表現されていないためです。
カタログやカラーシミュレーターに加え、実際のサンプルも合わせて総合的に判断しましょう。
もうひとつは、目の錯覚によるもの。
一般に同じ色を使用しても色のついた面積が小さくなるにつれ濃く見える面積効果という現象があります。
また、光の当たり方によっても違った色に見えるのも人間の目の錯覚によるものです。
目の錯覚は状況によって発生するものなので、サンプルを見るときはできるだけ大きなもの(A4サイズ以上)を、室内ではなく屋外で、朝・昼・夕の異なる時間帯といったさまざまな状況下で確認するとよいでしょう。
失敗例 汚れが目立つ
対策 汚れの種類を確認する、高機能塗料を使う
今現在、どういった汚れが目立っているかを確認しましょう。
汚れのもととなるのは砂埃や土埃、カビや藻、大気汚染、油など原因はさまざまです。
汚れの種類によって汚れの色も変わるため、塗り替える前にどういった色の汚れが、どの場所にあるかをしっかりと確認することが重要です。
発生しやすい汚れを特定し、それらが目立たないような色を選びましょう。
ただし、汚れが目立たないだけで汚れていないわけではありません。
好きな色を選びたい方も多いでしょう。
少々コストはかさみますが、雨水で汚れを洗い流してくれる防汚機能を持った塗料を使うのもひとつの手です。
失敗例 ツートンカラーにしたら変だった
対策 2色の相性を見る、塗り分け方に注意する
いうまでもなく、2色の相性をしっかり考えることが重要です。
ポイントとしては2色を選ぶときに好きな色を2つではなく、ベースカラーとメインカラーを考慮することです。
ベースカラーとは60~70%前後を占める色で、残りを占める色をメインカラーといいます。
メインカラーは好みの色を、ベースカラーはメインカラーの同系色を選べば違和感のない仕上がりになります。
あるいは、2色にしたいけど色選びに迷ったら、ある程度いろいろな組み合わせに対応できる白系の塗料がおススメです。
2色の相性もさることながら、2色の塗り分け方によっても大きくバランスが変わってきます。
同じ2色の組み合わせでも、2階建ての家で上半分と下半分で色を変えた場合と、左半分と右半分で色を変えた場合とでは印象が全く違いますよね。
どういった塗り分けが適しているのかは家の形状によって違うため、塗装業者とよく相談のうえ決めましょう!
他にも、
・塗装できない部分を把握しておく ・いろいろな家を観察して参考にする
・色あせしやすい色は選ばない ・街の雰囲気にあった色を選ぶ
などの点に注意して、失敗しない色選びをしましょう!